越前和紙っていろんな種類があるんです。これは凹凸があって丸い模様が付いてますよね。
越前和紙はチャレンジするんですよね、こういういろんな技法に。
他所の産地の方も、もちろんいろいろなさってますけど、どちらかっていうと、こうぞの紙の二三判・きくばんの紙だけとかのケースが多い。加工は別のところへお願いしてることも結構多いようです。
でも越前の場合は、僕が仕事入った頃から、こういういろんな加工を自分の工場でチャレンジしてやってみる風土があった。ですからお客様からこんな珍しい紙漉いてもらえんかってきた時も、とにかくチャレンジしてみる。やってみますと。できるできんは、やってみてから考える話。もしできなくても、チャレンジして失敗したことって僕らの経験として残っていくんです。例えば五年後くらいに、よく似た話がきた時に具体的な相談ができるんですよね。
ああ、何年か前失敗したけど、あそこはこうすれば良かったんだという記憶が残るので。結局、失敗を通して自分の幅を広げられるし、将来的にはいろんなことが可能になってくるんですよ。