紙の祖神様の川上御前は、創建は今から1500年ほど前といわれております。こちらは紙漉きの里でございますので、その紙漉きの技を伝えていただいた女性の神様をお祀りしています。
川上御前と越前和紙の始まりについて、言い伝えがございます。
ある日、川上のほうから見目麗しい女性がこの里に降りてこられて、「この里は田畑が少なくて暮らすのに困るであろう。ここは清らかな水に恵まれているので、紙を漉いて生業にするのがよかろう」と仰られまして、自ら着ていた着物を川のせせらぎの脇の小枝にかけて、紙漉きの技を伝えられました。
里人は大変に感謝して、「あなた様はどちらの方ですか?」と申し上げましたところ、「この川の川上に住む者です」と答えて、また山の上のほうに消えていかれました。ここから川の上のほうに住まわれる女性の神様、紙の祖神様ということで「川上御前」というお名前で呼ばせていただき、神社に祀りました。崇敬を集めている、産業の神様でございます。